写真:ロシアのプーチン大統領ロシアのプーチン大統領 Photo:Contributor/gettyimages

非現実的ではない
ロシアの核限定使用

 プーチン大統領が9月21日に30万人余りの軍隊経験者・予備役を招集するため、部分的動員令を発令したが、それ以降ロシア国内では混乱が広がり、既にカザフスタンやジョージア、フィンランドやエストニアなどを中心に20万人以上のロシア人が脱出した。

 2月24日のウクライナ侵攻以降、“外国企業の脱ロ”が顕著になる中、さらに“ロシア人の脱ロ”にまでエンジンがかかる状況は、プーチン大統領の焦りの結果であることは間違いない。

 そして、プーチン大統領は明らかに自らを不可逆的立場に追い込んでいる。プーチン大統領は部分的動員と同じくして、ドネツクとルハンシク、サボリージャとヘルソンの東部南部4州でロシア編入の是非を問う住民投票を行い、9月30日に同4州をロシアへ併合する条約に署名した。

 当然、これは国際法上認められないが、ロシアの解釈では4州はロシア領土となり、今後はロシアにとってはウクライナ軍の軍事活動は侵略となり、今後は核を含んだより強硬な対応を取ってくることが懸念される。