1ドル=150円台前半に下落した円相場を示すモニターPhoto:JIJI

米国のインフレのピークが見えない中、FRBの利上げは続く。政府・日本銀行は介入を繰り返すもドル高円安基調はまだ継続しそうだ。為替相場の見通しについて専門家へのアンケートを基に分析した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

著名為替ストラテジスト7人に緊急アンケート

 年内はFRB(米連邦準備制度理事会)の大幅利上げが続く。年明けには米国の景気後退懸念が強まり、インフレのピークアウトも見えてくる。利上げ幅は縮小され、円の対ドルレートも150円台半ばでピークをつけ円高方向に反転する。

 今回、ダイヤモンド編集部では、著名な為替ストラテジスト7人への緊急為替アンケートを実施し、円の対ドルレートの見通しについて聞いた。冒頭のシナリオは、アンケート結果の公約数である。

 次ページのアンケート結果の表の2022年末と23年3月末の予想を見てほしい。全ての回答者が22年末より23年3月末の方が円高になると予想している。そして、円安のピークは年末までというのが多数派だ。

 現在のドル高円安は日米の金利差拡大を主因として動いている。日本銀行の黒田東彦総裁は、当面、現在のいわゆる異次元緩和政策を変更しないことを明言している。日本の金利が動かない以上、円の対ドルレートの鍵を握るのは、米国の金利動向となる。