不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】裏切り者、卑怯者…と罵られても気にしなくていい 不正に直面したときにとるべき“唯一の行動”

チクることは悪なのか?

「チクる」って言い方がありますよね。「告げ口する」ってことですけど、一般的には悪い意味合いで使われます。会社組織の話になると、社内の不正を上司や外部の監督官庁、報道機関などに通報する「内部告発」なんて言い方もありますけれど、ある種、勇気のいる行為ともいえます。

組織内部の人たちからすれば、卑怯者だとか裏切り者のように扱われたりすることもあるでしょうし、自分の身分だって保証されないことでもあります。でも、そもそもチクられて困るようなことをしている連中のほうが悪いはず。

会社にかかわらず、プライベートでも、集団の正義と、社会や個人の正義というのは違うということなんです。

自分を信じて行動する

ある組織の内部で当たり前に行われていることが、社会的にも個人的にも正しくないことだと気づいてしまった。ただ、それを指摘するのは組織内部の常識に反するから、とても言いづらい空気感が漂っている。

それは、その組織内部にいるから感じること。自分の感覚を大事にしてあげたほうがいいわけです。告発しないまでも、最終的にはその組織を抜け出すようにすればいい。

もしアナタが大なり小なり明らかな不正に気づき、自分が巻き込まれるような事態に遭遇したとしたら、周りから抜け駆けしたとか裏切り者扱いされたとしても気にせず、自分を信じて行動したほうがいいと思います。

チクるよりチクられるほうが悪い

不正を働く人たちの仲間になっていたとしても、その先、よいことはないはずです。それが悩みや困難の種だったとしても、一度ふり切ってしまえば、楽になるはずです。

ただし、後々どのような結果をもたらすかを考えず、闇雲に告発するというのでは、自分の身をリスクにさらすことにもなりかねません。その組織から抜け出すことを前提に、きちんと対策を打っておいたほうがいいでしょう。

「チクる」っていうのは、チクる人が悪いのではなく、チクられて困る側のほうが悪いんです。だから、アナタがなんらか窮地に立たされて、どうしようもなくなってチクることになったとしても、自分を責めなくていいのです。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。