人材育成やチームの目標達成、部下とのコミュニケーション…リーダーにはさまざまな責務がのしかかる。悩みを抱えていないリーダーなどいないだろう。
そこで参考になるのが、リーダーシップの世界的権威で、全世界でシリーズ累計1800万部を記録するベストセラー著者、ジョン・C・マクスウェル氏の『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』だ。優れたリーダーになるための「21の原則」を明かした本書より、「本当に優秀な人」と「そこそこ優秀なのに出世できない人」の決定的な違いを解説する。(構成/根本隼)
本当に優秀な人は「自己研さん」の方法を探し続ける
優秀な職人であれ、世界的なスポーツ選手であれ、ビジネス界で成功を収めているリーダーであれ、すぐれた能力を持つ人が称賛の的になる。しかし、誰もがファベルジェ(ロシアの宝石職人)、マイケル・ジョーダン、ビル・ゲイツのレベルを目指す必要はない。
自分の能力を高めるために次のことをしよう。
●向上するための方法を絶えず模索する
非常に有能な人はみな、学び、成長し、向上するための方法を絶えず模索し続ける。秘訣は「それはなぜだ」と自問することだ。仕事をどのように行なうかを知っている人は仕事を失うことはないが、「それはなぜだ」という問いに対する答えを知っている人はさらにその上をいく。
●必ず最後までやり通す
優秀な人とは、最後までやり通す人である。私の経験ではみなそうだったし、あなたもそう思うだろう。質の高さは偶然ではない。
それは常に、明確な意図、真摯な努力、聡明な方向性、卓越した実行力の結果であり、多くの選択肢の中から賢明な選択をしたことの証しである。
「そこそこ優秀なのに出世できない人」はすぐ満足する
非常に有能な人は、何かを成し遂げたうえで常にもうひと押しすることを心がけている。彼らにとっては、「よくできた」というだけでは不十分なのだ。
ジム・コンウェイは『中年の危機』の中でこう書いている。「偉大な人間になろうという意欲が減退すると、『とにかく精一杯やりさえすればいいんだ』という気持ちに陥りやすい。ホームランを打ってやろうなどとは考えない。要するに、デッドボールを受けずに試合が終わればいい、というわけだ」
リーダーはこういう姿勢であってはならない。リーダーたる者は、仕事をやり通すだけでなく、毎日、それ以上のことを実行する必要があるのだ。
本当に有能な人は周りに影響を与える
非常に有能なリーダーは、高いレベルで仕事をするだけではない。彼らはまわりの人びとを鼓舞して、高いレベルで仕事をするよう働きかける。
人付き合いのうまさだけを頼りに生き残る者もいるが、有能なリーダーはそうした技術に加えて、自分が率いる組織を卓越した影響力のある組織にまで引き上げるために高い力量を発揮する。
(本稿は、『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』より一部を抜粋・編集したものです)