人材育成やチームの目標達成、部下とのコミュニケーション…リーダーにはさまざまな責務がのしかかる。
そこで参考になるのが、全世界でシリーズ累計1800万部を記録するベストセラー著者、ジョン・C・マクスウェル氏の『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』だ。「世界一のメンター」として知られるマクスウェル氏が、優れたリーダーになるための「21の原則」を明かした本書より、「絶対に管理職にしてはいけない人」の3つの特徴を紹介する。
「精神的に不安定な人」はリーダーに不適
精神的に不安定なリーダーは、本人はもとより、部下にとっても組織にとっても危険な存在である。リーダーという立場が、人格的な弱点を増長するからだ。
人生において抱えているマイナス要因が何であれ、それは人びとを導こうとするときに耐え難いほど大きくなる。
「絶対に管理職にしてはいけない人」3つの特徴
1)人びとに安心感を提供しない
技術を身につけていない人が他人に技術を教えることができないのと同じように、精神的に不安定な人は他人に安心感を提供することができない。人びとから「この人についていきたい」と思われるようなリーダーになるためには、彼らに安心感を提供する必要がある。
精神的に不安定な人は、人びとの承認と愛を絶えず探し求める。そのため、自分の安心感を見つけることばかり考えて、人びとに安心感を与えることができなくなる。与えるのではなく、受け取るタイプだ。このタイプの人はすぐれたリーダーにはなれない。
2)すぐれた部下を牽制する
精神的に不安定なリーダーは、部下の功績を心から祝福することができない。残念ながら、これは真実だ。部下が功績をあげないように画策したり、チームの功績を自分の手柄のように振る舞ったりすることすらある。
精神的に安定したリーダーは、人びとに力を与えることができる。これが「エンパワーメントの法則」だ。それに対し、精神的に不安定なリーダーは、力をため込もうとする。
実際、そういうリーダーは部下がすぐれていればいるほど、自分の地位がおびやかされると感じ、部下が功績をあげないよう躍起になる。
3)組織の足を引っ張る
部下は功績を認められなくてがっかりすると、その能力を存分に発揮できなくなる。そうなると、組織全体が損害をこうむる。
それとは対照的に、精神的に安定したリーダーは自分に自信があるから、部下を信頼することができる。傲慢になることがない。自分の長所と短所を知り、自尊心をしっかり持っている。
部下がいい仕事をしても、自分の地位がおびやかされるとは感じない。優秀な人材を集め、その能力を存分に発揮して仕事ができるように配慮する。チームが成功を収めれば、素直に喜び、それを自分のリーダーシップに対する最大の評価だと考える。
(本稿は、『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』より一部を抜粋・編集したものです)