人材育成やチームの目標達成、部下とのコミュニケーション…リーダーにはさまざまな責務がのしかかる。
そこで参考になるのが、世界でシリーズ累計1800万部を記録するベストセラー著者、ジョン・C・マクスウェル氏の『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』だ。「世界一のメンター」として知られるマクスウェル氏が、優れたリーダーになるための「21の原則」を明かした本書より、「話しかけたくない」と職場で嫌われてしまう人の特徴を紹介する。
聞き下手な人は「話しかけたくない」と嫌われる
リーダーは人びとの協力を求める前に、彼らの心の琴線に触れる。それが「人間関係の法則」である。しかし、相手の心の琴線に触れようとするなら、その人が心の中で何を思っているのかを知っておかなければならない。
それを可能するのが、相手の話に耳を傾けることなのだ。他人の話にあまり耳を傾けたがらないという傾向は、優秀ではないリーダーの特徴である。
「経営学の父」と呼ばれるP・F・ドラッカーは、「経営上のすべての問題の原因は、コミュニケーションのまずさにある」と指摘している。私の見るところでは、たいていの場合、コミュニケーションのまずさは、相手の話をじっくりと聞かないことが原因である。
人間は自分の話を聞いてほしがっている
いたるところで、多くの人びとが自分の話を聞いてほしがっている。相手の話に耳を傾けることについて考えるとき、聞くことには2つの目的がある点を肝に銘じよう。
1つは人びとと接触することであり、もう1つはそこから学ぶことである。だからこそ、次のような人びとに対して耳を傾けるべきなのだ。
1)部下の人物像を見極めよう
「この人についていきたい」と慕われるすぐれたリーダーは、部下との人間的な交流によって仕事以上のことを成し遂げる。すぐれたリーダーは、部下の一人ひとりがどういう人物であるかを時間をかけて見極める。
もしあなたが事実ばかりを聞き、それを口にしている人物の心の声に耳を傾ける習慣を持たないなら、今後は焦点を変えて、じっくり相手の話を聞くことを心がけよう。
2)ライバルの話にも耳を傾けよう
他の組織を競争相手と見なすリーダーは、自分流を主張したり自己防衛をしたりすることに専念するあまり、その組織がしていることから何かを学ぶという姿勢を失ってしまうものだ。
リーダーは、他人の発言で行動を左右されたくないという考えに陥りがちだ。しかし、リーダーたる者、他人の話に耳を傾け、自分を向上させるにはどうすればいいかを学ぶ姿勢を忘れてはいけない。
3)アドバイスしてくれる人を見つけよう
助言者を必要としなくてすむほど経験豊かなリーダーは1人もいない。私自身、父を含めて何人もの経験豊かなリーダーたちから多くのことを教わった。
もし助言者がまだいないのなら、助言者になってくれる人を見つけよう。直接助言してくれる人がいないなら、何冊もの本を読んでみよう。実際、私はそうやってきた。大事なのは、始めることだ。
(本稿は、『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』より一部を抜粋・編集したものです)