人材育成やチームの目標達成、部下とのコミュニケーション…リーダーにはさまざまな責務がのしかかる。
そこで参考になるのが、全世界でシリーズ累計1800万部を記録するベストセラー著者、ジョン・C・マクスウェル氏の『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』だ。「世界一のメンター」として知られるマクスウェル氏が、優れたリーダーになるための「21の原則」を明かした本書より、なぜか職場で「軽く扱われる人」と「評価される人」の決定的な違いを解説する。
「軽く扱われる人」「評価される人」2つの違い
本当の意味ですぐれたリーダーになるには、焦点を絞る能力が必要だ。では、その能力を身につけるにはどうすればいいのか。そのカギは優先順位と集中力にある。
優先順位を心得てはいるが集中力のないリーダーは、何をすべきか知っていてもそれを成し遂げることができない。集中力があっても優先順位を心得ていないと、すぐれた能力があるのに進歩しない。
しかし、優先順位を心得ていて、しかも集中力を身につけていれば、偉大な業績をあげることができる。
時間を有効活用する「70:25:5」の法則
1)70%を強みに割り当てる
自分の潜在能力を存分に発揮するリーダーは、苦手なことより得意なことに多くの時間を使う。成功するには、自分の強みに焦点を絞ってそれを伸ばしていくことが大切だ。あなたが自分の時間とエネルギーと力量を注ぎ込むべき分野はそこである。
自分が仕事でうまくできることを3つか4つリストアップしてみよう。自分の時間の7割を得意分野に使えるように計画を立てよう。もしそれができないようなら、自分の仕事ないし職種を見直したほうがいいかもしれない。
2)25%を新しい分野に割り当てる
成長は変化と同じだ。成長したいなら、変化と改善を継続しなければならない。それは、新しい分野に足を踏み入れることを意味する。
自分の強みにつながる新しい技能の習得に時間を使えば、あなたはリーダーとして成長する。ここで次のことを肝に銘じておこう。リーダーたる者は、成長がストップしたらおしまいだ。
自分のレベルをワンランク・アップさせるために使う時間とお金は、自分にできる最高の投資である。
3)5%を弱点に割り当てる
自分の苦手な分野にまったく取り組まずにすむ人は1人もいない。大切なのは、弱点を最小限に抑えることであり、リーダーは部下に委任することによってそれを可能にする。
自分の仕事には必要なのだが、自分にはうまくできないことを3つか4つリストアップしてみよう。そして、そうした仕事をどのようにスタッフに委任すればいいかを決定しよう。
新しいスタッフを雇う必要があるのか、すでにいるスタッフと責任を分担しながらこなせばいいのか。その計画を練ろう。
(本稿は、『「人の上に立つ」ために本当に大切なこと』より一部を抜粋・編集したものです)