ニュースで見聞きした国、W杯やオリンピックの出場国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ウルグアイってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ウルグアイってどんな国?

 ウルグアイは南米大陸の南東部に位置し、ブラジルとアルゼンチンといった大国に挟まれた国です。総人口のうちヨーロッパ系住民が9割を占めます。

 17世紀以降にスペインポルトガルとの係争地帯でしたが、18世紀後半にスペインが植民地としました。19世紀前半にブラジルからポルトガル軍が侵攻してブラジルに併合されましたが、1828年に独立を果たしました。

 こうした歴史的背景もあり、外交については近隣諸国との関係を重視し、とくにブラジルとアルゼンチンとは経済的にも強い関係を持ちバランスをとっています。

 なお、公用語はスペイン語です。正式国名にはウルグアイ川の東岸に位置することから「東方」がついています。

「世界で一番貧しい大統領」で有名な国

 2010年に大統領に就任したホセ・ムヒカ(2015年に退任)は、報酬の約9割を慈善事業に寄附し、自身は質素な暮らしをしていたことから「世界で一番貧しい大統領」といわれ、経済的な豊かさを追求する社会を批判しました。

 ウルグアイの産業は農牧業が中心で、国土の7割を牧場と牧草地が占め、牛肉、羊毛などを生産します。国民一人当たりの国民総所得は南米トップクラスで、貧しい大統領の国は経済的には比較的豊かといえます。なお、近年は中国との関係を強め、貿易額、援助国のトップクラスに中国が位置します。

ウルグアイ東方共和国

面積:17.6万km2 首都:モンテビデオ
人口:339.8万 通貨:ペソ
言語:スペイン語(公用語)
宗教:カトリック47.1%
隣接:ブラジル、アルゼンチン

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)