過去3期連続で最終赤字を計上した大阪の中山製鋼所は、今期も赤字になることがほぼ確実視される。現在、水面下で私的整理による経営再建を目指す同社は、歴史的に旧新日本製鐵(現新日鐵住金)と関係が深いことでも知られる。中山製鋼所グループ内に不協和音を抱えたまま、2月中に再建計画をまとめられるのか。
シャープやパナソニックといった在阪の大手家電メーカーが巨額赤字からの経営再建に取り組んでいるが、またしても大阪の財界を代表する老舗企業の一つが存亡の瀬戸際に立たされている。
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日本で3番目に“高炉”を立ち上げた鉄鋼メーカーの中山製鋼所は、この2月中に自らの手による「抜本的収益改善計画」(再建計画)を出せなければ、一転して法的整理へと向かう。
2月中というのは、2009年に官民の出資で設立された「企業再生支援機構」が、16年3月末で業務を完了することにある。その支援決定のタイムリミットが13年3月31日であることから、2月中に再建計画をまとめられないと、私的整理というスキームには間に合わない事態に陥るのだ。
中山製鋼所の第3四半期決算の発表は、2月14日に予定されている。その席で、再建計画の全貌が示されるのかについては、同社の松岡雅啓取締役は「現在は言えない。だが、2月中には発表したいと考えている」と明かす。
現在、水面下で進む再建計画は、メイン行である三菱東京UFJ銀行が主導し、約40の金融機関が約600億円の債権放棄を行うことが柱となっている。加えて、中山製鋼所の筆頭株主である新日鐵住金が約90億円を出資する。持ち株比率は、現在の9.8%から持ち分法適用会社にならない20%近くにまで引き上げる。
だが、当初の予定では12年の12月中に再建計画がまとまるはずだったが、大幅にズレ込んだ。