金融機関や自治体からの書類、郵便物、クーポン、子どもが持ち帰るプリント類……。「紙」は毎日、怒涛のように家に入ってきます。いったい、取っておくべき紙はどれなのか? そして、それをどう整理すればよいのか?「とりあえず取っておく」と、「肝心な時に出てこない」「いつの間にか期限が切れていた」「大事な書類を失くして、お金や信頼を失くす」などの悲劇が起こります。紙には、財産や信用に直結するものもあります。人生により大きな影響を与えるのは、実は「モノ」よりも「紙」の片づけです。「もっと早く知りたかった!」とメディアでも大反響の、片づけアドバイザー・石阪京子先生の最新刊「人生が変わる 紙片づけ!」から抜粋して、ご紹介します。

【紙片づけ】<br />住宅設備の書類一式。捨ててしまってもOK?Photo: Adobe Stock

なんとなく大事そう‥‥‥、だから捨てられない

 片づけレッスンに伺うと、必ず出てくる紙があります。チラシやレシートなどはもちろんですが、「え、これも捨てていいんですか?」と驚かれがちな、実は捨てても問題ないトップ3をこちらの連載で3回にわたり紹介していきたいと思います。

 まず、非常に多いのが、「住宅設備の書類一式」です。

 住宅設備の書類一式は、どうすればいいか本当によく聞かれます。家を買うと、食洗器やトイレなどの取説を、立派なファイルに入れて業者さんが渡してくださいますよね。残しておられる方の不安点は、「売却する時に必要になるのでは?」ということ。

 私の答えは、「5年ぐらいは置いておいたほうがいいけれど、それ以上たっているならもう要らない」です。

 当時の書類を一式渡さないと、次に家を買ってくれた人に迷惑がかかるのではと心配される方もいらっしゃいますが、複雑で一般的に使い方がわからないモノ(外国製のキッチン設備、複雑なダイヤル式ポストなど)の取説以外は捨てて大丈夫です。

古い設備はカタログよりネットのほうが便利

 ですので住宅設備の書類一式を残すかどうかは、売る時のことよりも「自分が使うか」で考えればOK。

 その点から言っても、5年ぐらいは置いておくのが妥当だと思います。買った直後は、不具合が出たり、部品交換をしたりする可能性がありますし、お手入れの仕方を調べることもあるので、紙ですぐに確認できるほうが便利です。

 でも、10年ぐらいたつと、もう部品がないこともあるので、カタログを見て調べるよりも、メーカーに問い合わせるほうが早いです。もしもトイレが壊れたら、カタログを見るのではなく、結局「パナソニック トイレ 修理」という感じで、ネットで検索しませんか? お手入れの仕方も覚えているでしょうから、もう紙の資料は要らないのです。

 ちなみに、見積書や施工説明書などはすぐに捨ててOKです。カーテンを選んだ時の各社の見積書や、エアコンや洗濯機を取りつけてもらった時の施工説明書、大型家電を買った時にもらう紙などは、使うことがありません。

 私も先日、冷蔵庫が壊れたので設置していただきましたが、その時に業者さんからもらった紙は全部捨てました。渡されたのは「家電リサイクル券」と「設置完了報告書」です。家電リサイクル券は、私がお金を支払った証明書です。そのお金で、古い冷蔵庫を廃棄してもらったという証明書。一応、「これって、何かに使いますか?」とお聞きしましたが、「特に要りません」と言われたので、心置きなく捨てました。

「設置完了報告書」も、もう設置したのだから不要です。もし、冷蔵庫に不具合が起きたら、必要になるのは保証書です。

 多分、真面目な方は、これを取説のファイルなどと一緒に全部保管されるのですが、こういうちょっとした積み重ねが、紙が溜まる原因になります。紙自身の効力を瞬時に判断するのは難しいとは思いますが、少しずつ練習していけば、ちゃんと判断できるようになります。できるようになるまでは、本書で説明している「未処理ボックス」を活用して、「この紙を使う目的は?」と考えながら、要不要を見極めていってくださいね。

*本記事は、石阪京子著「人生が変わる 紙片づけ!」の中から、抜粋・編集したものです。