営業マン写真はイメージです Photo:PIXTA

「営業は断られてからがスタートだ」なんていう言葉を耳にした人も多いかもしれません。とりあえず声をかけて新規開拓するためには仕方ないことかもしれませんが、断られるためにする仕事なんてメンタル的にとてもきつい。では、断られることが大部分を占める営業活動の中で、愛されて売れ続ける営業は一体何に注力しているのでしょうか?営業が時間を割くべき『第3ステージ』について解説します。(ファンづくりセールスの専門家・作家、株式会社HIROWA代表取締役、京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授 和田裕美)

セールス活動は3つのステージに分かれる

 一般的に言うとセールス活動は、アポイントを獲得して商談し、お客様と契約を結ぶといった流れがメインになります。そして、このセールス活動は次の3つのステージに分けられます。

◆第1ステージ
 マーケティング~アポイントの獲得まで、お客様と出会う段階

◆第2ステージ
 商談~契約まで、お客様とコミュニケーションを取る段階

◆第3ステージ
 顧客になった後、アフターフォローでファンになってもらう段階

 言わずもがな、最も大変で時間もかかるのが第1ステージの「お客様と出会う」段階です。テレアポや飛び込み営業など、足で稼ぐ営業手法もまだまだ多く、営業がつらいと感じられてしまう最大の理由でしょう。なぜならここで拒絶されることが多いからです

 まだ見ぬ、未来のお客様と接点を持つのは簡単なことではありません。ただでさえ、営業=売り込みというレッテルが貼られている上に、例えばテレアポなど、いきなり接点を持とうと迫ってくる人は警戒されて当然だからです。

 しかし、この第1ステージはあくまでファーストステップであり、第2ステージ以降がお客様との関係性をつくるフェーズです。アポを取ることに、全体の80%の時間を割いている営業の方も少なくありませんが、第一段階で自分の時間の大量投下をしてしまうということは、次に続く、何よりも大切なお客様から信頼をもらうため使う時間が相対的に少ないということになります。