コロナ禍で在宅勤務が一般化し、通勤時間が減少したことで余暇の時間が増えたという人も多いと思います。新しいことを学ぶチャンスだといえますが、すぐに仕事に直結すること以外はついつい後回しになってしまうもの……。ただ、「今必要ないから」と勉強する機会を遠ざけることは自らのキャリアを狭めることにつながります。(ビジネスコンサルタント・作家、株式会社HIROWA代表取締役、京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授 和田裕美)
「今は必要ないから勉強しない」が
キャリアの選択肢を狭める
新型コロナウイルス感染拡大による「巣ごもり需要」で、ネットの動画配信サービスの業績が好調のようですが、何を隠そう私もその好況を支えているうちの一人です。単発映画ならまだしも、シリーズ物のドラマだと次の展開が気になってついついあと1話、あと1話と見続けているうちに気がついたら窓の外が明るくなっていて、もう寝る時間がほとんどない……なんていうこともしばしばで、その度に自己嫌悪に陥る今日この頃です。
例を挙げるとキリがありませんが、シリーズがいくつもあるような人気ドラマというのは、視聴者を一種の中毒にさせてしまうような仕掛けがあって、本当によくできているんですよね。
そんなこんなで、見放題なのをいいことに何時間も延々と見続けてしまうわけです。でも、その間ずっと画面にくぎ付け状態というわけではありません。グラスに飲み物を注いだり、スマホでメールをチェックしたり……。どうしても「ながら見」になってしまいます。それはそれで楽しいんですが、海外作品の場合、このながら見で困っているのが、「字幕の見落とし問題」です。
ちょっと目を離した隙に大事なセリフを見逃していまい、話の展開についていけなくなってしまう……。その度に、「これがそのまま原語で聞き取れていればなぁ」などと思うわけです。
また、たとえちゃんと字幕を追えていたとしても、実際に俳優がしゃべっているセリフと翻訳された字幕ではどうしても埋めきれない差異が生じてしまいます。元の言葉でセリフを理解して、心ゆくまでドラマの世界にどっぷり漬かりたい――。
というわけで、私はここしばらく英語を使っていなかったのでブラッシュアップするべく勉強を再開したところです。オンラインで日本語がまったくできないイギリスの先生と1時間のレッスンを月に2回。奇跡的に(?)半年くらい続いています。
英語にしろ、他のことにしろ、勉強するきっかけはいろいろなところにあると思います。しかし一方で、日々仕事に追われる中で、自分の勉強の時間をつくることは容易ではありません。それが現在の仕事に直結しないことならなおさら、「頑張って勉強しても今は必要ないし……」などと、諦めてしまう人が多いのではないでしょうか。