「うちの子は暗記が苦手…」暗記教科の点数を上げるために親ができることPhoto: Adobe Stock

開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、「社会の成績を伸ばすコツ」について特別に一部を抜粋して紹介する。

暗記のコツは五感をすべて使うこと

 暗記しなければならないことが多い社会では、覚えるために五感をすべて使いましょう。九九を覚えたときのように口に出したり、ひたすら紙に書いてみたり、書いたものをじっくり眺めたり、繰り返し聞いたりと、ありとあらゆる方法を用いましょう。

 紙に書くのではなく、自分の手に指でなぞる方法が好きだという子もいます。とにかくその子にとって覚えやすければ、どんな突飛なやり方でもいいのです。

 社会の暗記は親が手伝いやすい分野です。「応仁の乱が起きたのはいつ?」「モナコ公国の公用語は?」「室町幕府を開いたのは誰?」というように、クイズ形式で一緒に勉強してあげることができます。逆に「1467年に起きたことは?」「フランス語が公用語の国は?」「足利尊氏はなにをやった人?」と聞いていくのもいいでしょう。

 とくに、暗記が苦手な子どもには、さまざまなアプローチを試してみましょう。

参考書より印象に残りやすい学習方法

 算数、国語、理科と比較して、社会は最も実体験に結びつきやすい教科です。実体験が多いほど、社会という教科に強くなります。

 たとえば、奈良を旅行して古い寺院や仏像などをいろいろ見れば、奈良時代のことにより興味を持てるようになります。鳥取県に行って美味しい梨を食べれば、ほかの県の名産品を知ることが楽しくなるでしょう。

 あるいは、博物館でさまざまな展示品を見るだけでも、社会の問題を解くヒントが頭の中に蓄積されます。だから、子どもに、現地・現物を見せてあげることは、社会に強くなる上でとても重要なのです。

 一方、コロナ禍の副産物として、「バーチャルで経験できる」材料も増えました。

 塾の講師らによる社会系のオンライン講座はもちろん、世界の旅行地を巡るサイトなど、ネット上にいい素材が溢れています。あるいは、市販のDVDを活用してもいいでしょう。あちこちに行ったり、そこでいろいろ見たりするのと同じような経験ができるチャネルを増やしてあげましょう。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)