短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。
東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。発売前から「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題なのが注目の新刊『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を初公開する。

一目でデキる人と思われる【期限に絶対遅れない人】の法則

予備を用意することは
期限を守ること

 当社では、健康に関するコラムをメールマガジンで配信している。

 担当者が原稿を書き、金曜に私が確認して毎週日曜に配信する。

 あるとき、コラムの内容が会社の方針に合わないことがあった。

 担当者に修正を依頼すると、

「今日中に配信設定しなくてはならないのに、社長がOKしてくれないとメルマガが出せない」

 と言ってきた。

 次回以降どうしたらいいかという話になり、担当者は「社長のOKをもらうため」という理由で私の好みを知ろうとした。

 だが、期限を守るためにベストな方法は、原稿の予備をもう1本用意して2本提出することである。

 2本提出して、2本ともダメになる確率は低い。まず1本見せてダメだったら、予備のもう1本を見せる。

 1本目が通ったら、予備の1本は次週に回せるから、次週分は1週間のうちにもう1本書き足しておけば、次週も2本提出できる。

 最初の1回と、1本がボツになった場合のみ週2本のコラムを書けば、その後はうまく回る。

 予備を用意することは期限を守ることにつながるのだ。

タイム・イズ・コスト=ワン・デイ・イズ・200万円

 時間に遅れるとお金がかかる。

 まさに「時は金なり」である。

 商品の発売が予定から1日遅れるとしよう。

 会社は、商品が発売されない限り1円の売上にもならない。

 一方、会社では日々コストが発生する。

 会社の固定費が1ヵ月6000万円かかっているとする。

 1日遅れると、この商品を発売するのに200万円もコストが増えることになる。

 家賃で考えるとわかりやすい。

 売上が上がったら家賃が増え、売上が少ないと家賃が減るわけではない。

 何もしなくても毎月、時間に対して確実にコストがかかっている。

 あなたの頭脳は、「できるかできないか」ではなく、「どうすればできるか」を考えるためにある。

「間に合うか間に合わないか」ではなく、「間に合わせるためにどうするか」を考える。

「絶対無理」と思うことでも、「1億円の予算を使っても絶対無理か」と考え、そこから予算を下げていき、現実的な落としどころまでブレイクダウンさせることが大切だ。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)