ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は中国市場で国内メーカーにシェアを奪われ、新たに就任したオリバー・ブルーム最高経営責任者(CEO)にとっても最大級の課題として浮上している。ここ数カ月のVWの販売台数は伸びているものの、中国市場でのシェアは今年、約16%になると同社は予想。調査会社ジェイトー・ダイナミクスによれば、2019年のシェアは約20%だった。ポルシェやアウディなど現地で人気があるブランドを傘下に持つVWは、外国メーカーとして中国で最大の市場シェアを獲得している。9月に就任したブルーム氏にとって、課題は市場シェアの縮小だけではない。VWは電力コストの上昇に加え、恒常的にサプライチェーン(供給網)上の問題を抱えている他、インハウスで開発したソフトウエアの開発に遅れが生じていることから、同社の新モデル発表スケジュールも大幅に影響を受けている。