中国では奇異に見える「日本の老後」、中途半端に西洋化した日本社会の不具合日本にいる中国出身者は、女性の社会進出を推進すると言っている日本で、なぜ祖父母は孫の面倒を見ずに、旅行に行っているのか?となる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

中国出身者が感じる
軽井沢での違和感

 この秋、中国出身の友人と電話していた時のことだ。「今どこにいるの?」と訊くと「紅葉の時期なので軽井沢に旅行に来ている。でも中国人から見ると異様な風景が広がっている」との答えが返ってきた。

 彼が奇異に感じたのは、軽井沢のホテルのロビーが、日本の老人に占められていることだった。ただ、その理由は、コロナがまだ十分終息していないのに、罹患したらリスクのある老人が旅行することではない。

 彼が指摘したのは、中国では、これほどたくさんの老人が旅行をしない、ということだった。彼によれば、中国の老人は、自分の子ども(一人っ子の場合が多い)の子ども、つまり孫の世話を一生懸命にやっているので、孫の世話を放棄して旅行するのは一般的ではないらしい。

 弊社でも中国出身者が多く勤務している。彼らに同じ質問をしてみると、まったく同じ反応だった。中国では夫婦共働きが基本なので、夫婦の親が孫の面倒を見るのが一般的だ。彼らによると、女性の社会進出を推進すると言っている日本で、なぜ祖父母は孫の面倒を見ずに、旅行に行っているのか?となる。