注目の進学校(2):海城中学校
海城中学校(以下、海城)は、新大久保駅から徒歩5分ほどの場所にある完全中高一貫の男子校です。トップクラスの偏差値で進学実績が高く、東大や医学部への進学者も非常に多いです。特に近年、人気が大きく上昇していて、それにつれて入試の難易度も上がっています。
都心の立地なのですが、敷地が比較的広く、教室や建物、施設が充実しています。立派な人工芝のグラウンドがあり、運動部への入部を考えている子どもにとっても充実した環境と言えると思います。さらに、2021年に「新理科館」と呼ばれる理科の授業だけ行う校舎も完成し、実験室や機材もまるで大学のように整備されています。
子どもたちを引っ張ってくれる学校
ーー海城の教育はどんなところに特徴があると言えますか?
実は海城は、学校説明会に行ったほとんどの保護者が、子どもを受験させたくなってしまうほど、保護者にとって魅力的な学校なんです。
難関校と呼ばれるような進学校に共通する傾向として、自由や自主性を重んじる風潮があります。進学実績がすごい中高一貫校でも、実は学校側は「東大へ行きなさい」「海外に目を向けなさい」なんてことを一切言わないで、なんとなく生徒任せっていうところがあるんですが、海城の場合は、海外に目を向けることや、専門性を持つことを強く学校が引っ張ってくれるんです。
学校がある程度子どもたちを引っ張ってあげる進学校って、実はなかなかないんですよ。もちろん自由や自主性は大事だと思うんですが、やっぱり小学生から中学生になったばかりの子は、右も左もわからないし、特に男の子は幼い面があるので、海城はその男の子の幼さっていうところをちゃんと直視してくれる学校という印象ですね。
そういった子どもたちを、やる気に満ち溢れた先生たちが、充実した施設を最大限に活用して引っ張ってくれる魅力は大きいと思います。勉強や課外活動に対する子どものやる気を上げるのが上手い学校という印象です。やっぱり、綺麗で充実した設備で過ごす方がやる気は出ますよね。
そのほかの特徴としては、海城の社会科では徹底的に書く力を鍛える教育が実践されます。論文やレポート課題を通じて、自ら調査をして書く力を養っていきます。
実はそのことは、海城の入試問題からもはっきりと見てとることができます。社会の問題が非常にユニークなことで有名なんです。背景知識や読解力をもとに、論理的にアウトプットする力が試される、中学受験界きっての良質な記述式問題が出題されます。
ーーどんな子どもに向いている学校と言えるでしょうか?
子どもの自主性に任せすぎず、一定の厳しさで子どもたちを引っ張ってくれる学校なので、学校側にわが子をしっかり引っ張ってもらう教育を望む保護者は、ぜひ海城を検討してみるのがいいと思います。学校に任せた時の安心感は大きいと思います。
また、時代に合った教育を実践している印象も持っています。ですので、実社会でしっかり活躍している海城の卒業生は多いですし、海城の教育と近年の人気を考えれば、今後もそういった卒業生が増えていくでしょう。
実は、そのほかの超難関校と言われるような男子校の卒業生はとても優秀である反面、良くも悪くも癖が強い人も多くて、大人になった時に一般的な会社や組織といった実社会でうまくマッチできない人も多いんです。
学校選びでは立地も重要なポイント
海城は大久保と新大久保の間に立地する学校なので、大学受験を真剣に考え始めたときに、新宿や、渋谷、高田馬場、池袋など、どこの塾にでも通える利便性があります。この利便性は先ほど紹介した渋渋にも当てはまることです。
私は学校選びにおいて、立地は非常に重要なポイントだと思っています。中高6年間毎日通うわけですから。
もちろん学校では大学受験の対策も丁寧にやってくれるけど、いざ高2高3になって塾を使いたいっていうことになったときに、部活が終わった後でもすぐに都心の塾に通えるわけですね。学校側は「塾なんか行かなくても大丈夫です」と言っても、親子が不安になったときに、行きたい塾に通える立地条件が備わってるっていうのは大きいと思います。