今年のホリデーシーズンに店の通路をぶらつけば、あの箱入りのクリスマスキャンディーが4.99ドル、向こうにあるテレビが299ドル、あそこにあるおしゃれなヘッドフォンが99.99ドルといった具合に、そこら中で数字の「9」を見かけるだろう。  商品の価格に切りのいい数字のちょっと下の9を使うトリックは当たり前になりすぎていて私たちはそれがどういうことかを考えることもない。たとえ考えたとしても、99.99ドルが100ドルと変わらないことを知らないかわいそうな「かも」を憐れむくらいだろう。  しかし実のところ、私たちはおそらく気付かぬうちに9で終わる価格に足元をすくわれている。