銀行は、借金をしたいと思う米国人が減ったとき、与信枠を増やした。現在、消費者はそれに乗じている。銀行が融資を増やしたいのは言うまでもない。結局、それは銀行の中核ビジネスなのだから。特に金利が上昇すれば、より多くの手数料を取ることができる。だが今は、銀行が成長するには厳しい時期でもある。預金を得るのが難しくなり、自己資本比率が厳しくなる中、資産を増やすための増分費用は急増する見通しだ。また、銀行は融資のうちどれだけ貸し倒れになるかを考慮に入れなければならない。現在の経済状況では、この予測はとりわけ厄介だ。リスクと利益のバランスを取る最適な水準は存在するかもしれない。しかし、クレジットカードに関しては、銀行は融資額を完全にコントロールすることはできない。カードはいわゆる回転(リボルビング)信用の一種で、消費者が最初に審査を受けて承認されれば、その後、限度額内で繰り返し借り入れが可能となる。だが新型コロナウイルスの流行が始まってから、人々はこうした与信枠は使わず、あるいはすぐに返済してしまい、月々の利用残高から得られる利息は減った。