コカ・コーラ ボトラーズジャパンが実践!社員育成に不可欠な5つのポイントPhoto by Yusuke Yuzawa

世界的な飲料メーカーであるコカ・コーラ社の日本における製品製造・販売を手掛けるコカ・コーラ ボトラーズジャパン。本稿では、前編・後編の2回に分けて、同社の執行役員・最高人事責任者兼 人事・総務本部長の上村成彦氏が実践した人事施策を取り上げる。後編では、働きやすい環境づくりに欠かせない「5つのポイント」を解説する。(文/奥田由意)

※本記事は、2022年9月2日に開催されたオンラインイベント「変化に適応できる人材育成と組織開発」の内容を基に再編集したものです。

働く「環境」の整備に必要な
5つのポイント

 社員の育成のためには、制度の設計だけでなく、働く環境の整備も重要です。弊社では、「マズローの欲求5段階説*」を組織にも当てはめて実現するように計画しています。

 自分で責任感持ち、オーナーシップを持って働けるようになることが目標で、成長の達成感や成長実感も必要です。そのためのキャリアパスであり、人財育成、評価なのです。

 これには、土台になる物理的欲求を満たしていることが前提になります。つまり、働いている場所が安全、快適で、そこにいることが楽しいと感じることが一番大事なのです。

*米国の心理学者のアブラハム・ハロルド・マズローによる学説。人間の欲求は5つの段階に分類されると考え、まず、生理的欲求が満たされなければならない、次に安全の欲求、社会的欲求、承認の欲求の段階を踏んで、最終的に自己実現の欲求を満たしていくとしている。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンが実践!社員育成に不可欠な5つのポイント資料提供:コカ・コーラ ボトラーズジャパン
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 具体的には、(1)時間、(2)場所、(3)カルチャー、(4)風通し、(5)ダイバーシティ&インクルージョンという5つのポイントを踏まえて働く環境を整備しています。それぞれ解説していきましょう。