ウラジーミル・プーチン大統領が主導したウクライナ侵攻後、ロシアはしばしば戦争をエスカレートさせるという脅しをかけてきたが、脅しの多くを後にトーンダウンするか無視している。米国とその同盟国は、プーチン氏の真のレッドライン(譲れない一線)はどこなのか推測せざるを得なくなっている。ロシアは最後通告とUターンを繰り返し、その戦争目的も絶えず変化している。このため西側諸国の政府当局者の間では、プーチン氏は自分の手に負えなくなっているこの戦争で、行き当たりばったりに対処することを余儀なくされているとの見方が強まっている。それでも西側諸国の外交官らは、プーチン氏が核兵器を使う用意があると示唆したことを含め、同氏の発言を真剣に受け止めなければならないと話す。当局者らはロシアがウクライナに核攻撃を仕掛ける可能性は非常に小さいと考えている。だが米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ長官は今月、トルコの首都アンカラでロシアのセルゲイ・ナルイシキン対外情報局(SVR)長官と会談し、核兵器を使わないよう警告した。
ぶれるプーチン氏、戦争目的と「レッドライン」は
行き当たりばったりに見える対応、「自暴自棄」を反映か
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