米中の大国間競争における最新動向の一つとして、米国防総省は10月、中国ドローン(小型無人機)大手の大疆創新科技(DJI)が、人民解放軍と協力している企業を追跡する「中国軍事企業」リストに載っていることを明らかにした。これは、世界最大の商業用ドローンメーカーであるDJI、および同社と中国共産党との密接な関係に対する懸念が高まっていることを反映しており、その懸念は正当なものだ。米連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー委員長はこうした懸念について、次のように警告している。「DJI製ドローンとそのシステムに搭載された監視技術は、膨大な量の機密データを収集している。重要インフラの高解像度画像から顔認証技術、個人の体温と心拍数を測定できる遠隔センサーの情報に至るまで、あらゆるものだ」。DJI製ドローンの監視能力は仮定の話ではなく、米財務省は、中国共産党が国内の強制収容所に入れられたウイグル人を見張るためにDJI製ドローンを使っていると主張している。中国がドローンを自国民の監視に使えるのであれば、米国民の偵察にも使用できるということだ。