円安は日本の株式市場にとって良くも悪くもある。米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを緩めそうな見通しであることから、円と日本株は恩恵を受けるかもしれない。東証株価指数(TOPIX)は今年、世界の株式市場でトップクラスの好成績を上げている。年初から横ばいで推移しているものの、主要市場の大半をすでに十分上回っている。S&P500種指数は年初来14%下落、MSCIチャイナ・インデックスは27%下落している。だが、円がドルに対して大幅に下げているため、米国に拠点を置く投資家の日本株投資は振るわない。円が15%下げていることで、ドルに換算したTOPIXのリターンはS&Pと同程度だ。日本取引所グループによると、今年これまでに海外投資家は日本株を2兆2000億円売り越している。