天然ガスの次は原油なのだろうか。ロシア産原油の輸出価格上限が想定よりも低くなれば、ロシアの対抗策を招き、エネルギー市場の混乱にさらに拍車が掛かる可能性がある。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は1日、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が加盟27カ国に対し、ロシア産原油に設ける価格上限を1バレル当たり60ドルとすることを承認するよう求めていると報じた。最近議論されていた65~70ドルを下回る水準だ。ロシア産原油がこの上限を超える価格で販売された場合、世界の船舶の約90%に融資・保険を提供しているEUや英国の企業からサービスを受けられなくなる。価格上限はまだ変わる可能性があり、EUの全加盟国の同意が必要だ。ポーランドは、ウクライナ戦争の資金源となっているロシアの石油収入をさらに減少させるため、価格上限の引き下げを求めている。ギリシャとマルタはより米国に近い立場で、自国の海運業を守るため70ドル程度に設定したい考えだ。
ロシア産原油の価格上限、低すぎてもリスクに
上限が低すぎればロシアの対抗策を招き、エネルギー市場の混乱にさらに拍車が掛かる可能性がある
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