過熱していた米国のインフレはようやくクールダウンしつつある。そして雇用市場も冷めつつある。今重要なのは、どちらのスピードが速いかということだ。米商務省は1日、米連邦準備制度理事会(FRB)が重視するインフレ指標である10月の個人消費支出(PCE)を発表した。前月比0.3%の上昇だった。前年同月比では6%増と、ピークだった6月の7%増から減速し、昨年12月以降で上昇幅は最小となった。さらに重要なのは、エコノミストや政策担当者がインフレの基調を把握するために重視するコア指数(食品とエネルギーを除く)の上昇率が0.2%にとどまったことだ。前日にはジェローム・パウエルFRB議長が次回会合の利上げ幅を0.5ポイントとし、これまでの4回連続0.75ポイントの利上げペースから減速する可能性を示唆していた。1日のPCE発表で、FRBの引き締め政策が意外に早く終了するのではないかとの期待が強まった。
FRBの2つの使命、焦点が移るとき
インフレは落ち着きつつあるが、労働市場の行方は?
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