米アップルは生産拠点の一部を中国外に移す計画を加速している。協議に関わる複数の関係者が明らかにした。中国は同社のサプライチェーンで長らく支配的な地位を占めてきた。関係筋によると、同社はサプライヤーに対し、インドやベトナムなどアジアの他の国でアップル製品を生産することをもっと積極的に計画するよう伝えている。電子機器受託製造大手、鴻海科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループ)を中心とする台湾勢への依存を減らしたい考えだという。「iPhone(アイフォーン)」シティーと呼ばれる中国・河南省鄭州市の大規模製造拠点での混乱がアップルの生産移転の加速につながった。フォックスコンが運営するこの工場では約30万人が働いており、iPhoneなどのアップル製品を製造している。市場調査会社カウンターポイント・リサーチによると、一時期はこの拠点だけでiPhone Proシリーズの約85%を製造していた。