海運会社は今年、先を争って何十隻もの中古の石油タンカーを購入しており、冬期にバルト海のロシア港湾周辺の凍結した区域を航行できる耐氷性能を備えた船を入手するため、記録的な高値を支払っている。こうした購入が相次いでいるのは、ロシアのエネルギー業界に今週、これまでで最も厳しい制裁が科された後も、ロシア産原油を市場に届けるためだ。購入契約に詳しい関係者が明らかにした。海運市場の静かな一角で起きている熱狂は、タンカー業界を二分している。一方は西側の石油会社・銀行・保険会社と取引しているが、もう一方は業界で非公式に「影の船団」として知られている。「影の船団」はこうした取引は行わず、イランやベネズエラとの交易が可能だ。また、世界最大の原油・精製燃料輸出国であるロシアとの取引も拡大している。