開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。
ひとりっ子親ほど、わが子に高い理想を押しつけがち
ひとりっ子は、親が高い理想を押しつけてしまう傾向にあり、そこに達しないと、子どもは「自分はダメだ」と自己肯定感を下げがちです。
一方で、兄や姉と比較されないひとりっ子は、「自分の上の存在」を感じさせなければ自己肯定感をとても高く保てます。
親はそれを利用して、子どもをやる気にさせましょう。たとえば、偏差値が60の子でも、兄や姉が65であれば「自分はダメだ」となりますが、一人なら「60なんてすごい!」と思えます。
それが、50でも40でもいいのです。親も子どもも一緒になって「できるじゃん!」「もっといけるね!」と肯定的に捉え、子どもをのせてしまいましょう。
10歳までに、自己肯定感を徹底的に高める
「そんな甘い対応をしたのでは、子どもが勘違いしたままにならないか」という心配は無用です。社会に出る前に、進学した中学校や高校で必ず何度か鼻をへし折られます。そうした経験を経て、徐々に強くなっていくのがひとりっ子です。
そのときは、少し引いて見守ってあげればいいので、今はまず、のせて勉強をさせることを優先しましょう。自己肯定感は、10歳までは徹底的に高めてあげましょう。
これまで私は何度も、「子どもを客観的に評価して」と述べてきました。親がほかの子を比較対象として、わが子の立ち位置を正しく把握するのは大事です。
ただ、今の立ち位置からさらに前進させるために、自己肯定感を刺激してのせていくのは悪いことではありません。そして、そのためには、親も一緒になってのってあげることも必要でしょう。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)