開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

「子どもの学力にフタをしてしまう親」に共通する1つの悪い習慣Photo: Adobe Stock

漢字が苦手な子は、社会の成績も伸びない

 いろいろ経験を積ませてもらって、覚えなければならないことも必死で暗記したのに、それでも中学受験の社会でいい点数を取れない子がいます。それは、答えを漢字で書けない子です。

 中学受験の社会では、文部科学省が定めた学年別の教育漢字などとは関係なく、人名や地名、県名など正式な漢字での解答が求められます。

 徳川慶喜、井伊直弼、山縣有朋、後醍醐天皇、樺太、桶狭間、那覇、版籍奉還、薩長連合……すべて漢字で書かねばなりません。それができずに悔しい思いをしないよう、普段から漢字で書かせ、正しく書けているかどうか見てあげましょう。

 今は教師も忙しく、学校で漢字を丁寧に教えている余裕はありません。「漢字は家で覚えてきてね」というのが基本です。

親が漢字を使わないと、子どもも漢字を使わない

 そうした状況にあって、子どもに漢字の力をつけてもらうためには、家庭で訓練を重ねるだけでなく、日常的に親が漢字を使っていることが大事です。ちょっとしたメモなども、できる限り漢字を使いましょう。

 仕事でも変換機能に頼るのが当たり前になっているため、最近は大人もすっかり漢字が書けなくなっています。だから、手書きだとすぐに手が止まってしまいます。そして、調べるのも面倒だからと、つい、カタカナやひらがなで書き留めるのです。

 こういう癖は、必ず子どもがマネをします。だから、これを機に調べながらでも正しい漢字を書く習慣をつけてください。親がそれをやって見せ、子どもにもそれを求めてください。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)