元世界2位のトップセールスが「月次」でなく「週次」の手帳にこだわる理由写真はイメージです Photo:PIXTA

今の時代、スケジュール管理はグーグルカレンダーなどの時間管理アプリを使う人が圧倒的で、「もう紙の手帳は使わない」という人も多いでしょう。でも、デジタルの時代にこそ、紙の手帳を上手に活用するメリットがたくさんあるのです。今回は営業成績にも直結する手帳の使い方を詳しく解説していきましょう。(ビジネスコンサルタント・作家、株式会社HIROWA代表取締役、京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授 和田裕美)

手帳はいつでも振り返られる“自分の歴史”

 スケジュールを管理するためならGoogleカレンダーで十分。なのに、敢えて紙の手帳を持ち歩いているのは「自分の歴史」をいつでも振り返るためです。

 私が世界2位の営業成績を達成したとき、決してすべてが上手くいっていたわけではありません。それに至るまでには、沢山の苦労もありましたし失敗もしてきました。思い出すとつらくなるような経験もあります。けれど、それがなければ今の自分はなかった。あのとき悩んだこと。そこから学んだこと。すべてひっくるめて“自分の歴史”です。

 手帳を見て、字が乱れている日のスケジュールは「あーこのときはすごく大変な時期だったな」とか、何も書かれていない日のスケジュールは「何も書けないほど忙しかったんだな」といったように、そこに何も書かれていなくても手帳が当時を記憶しているんです。

 手帳に書かれていることは、振り返りたいときにいつでも遡れます。原点回帰といいますか、迷ったときは過去の自分と向き合うのがいいんです。誰かと比べるのではなく、過去の自分と比べる。そうすると、色んなことを乗り越えてきた今の自分を褒めたくなる。

 そんな自分の歴史を、手帳と一緒に歩んでいく。これはデジタル媒体のカレンダーやスケジュール管理のアプリではできないことです。厳密には近いことができるかも知れませんが、自分の手で書き込む文字だからこその価値は生めないと思います。

 手帳は持っているだけでは真価は発揮しません。「どう使うか?」がとても重要です。とくに営業マンは行動管理が必須であり、同時に行動量も求められるでしょう。何人と会って、商談を何回して…。常に目標の数字を追いかけるのが営業です。

 では、仕事の成果につながる、営業成績に直結する手帳の使い方とは、どのようなものでしょうか。私自身の経験から、詳しく解説していきましょう。