中国ゼロコロナ緩和の実態は「突然すぎる全面撤退」、国民に広がる不安閉鎖された上海市内PCR検査場 Photo:China News Service/gettyimages

新型コロナの感染予防のため、これまで強固な規制を敷いてきた中国。しかし若者たちの抗議デモが全国に広がったことを受け、突然「新型コロナ感染予防コントロール措置をさらに改善することに関する通知」(新十条)を発表した。PCR検査場が一夜にして消える、スマホアプリによる行動規制がなくなるなど、規制緩和というよりは行政が突然姿を隠してしまった形となり、国民の間には動揺と混乱、そしてオミクロン株による感染が急速に広がっている。北京のスーパーでは桃の缶詰が売り切れるという不思議な事態も起きている。(フリーライター ふるまいよしこ)

一夜にして、中国政府の
新型コロナ対策措置政策が激変した

 12月7日、中国国務院(内閣に相当)直轄の共同防疫対策本部が全国の新型コロナウイルス対策措置の緩和を盛り込んだ「新十条」を発表してから1週間余り。この2年半以上、1~2日ごとに義務付けられていたPCR検査や、どこに行くにも必須だった健康コードの提示の廃止が続々と進んだ。

 それとほぼ同時に、今度は各地から「陽了」(陽性になった)という声が相次いで上がり始めた。香港紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」は、一夜にして一転して現地政府が感染者数ゼロと報告した河北省保定市で、「罹患した」と自己申告する人たちがたくさん存在していると報道。また彼ら自身がそれぞれ、身辺に他の感染者がいるのを確認しており、明らかに政府発表のデータが現状と合致しなくなっていると伝えている。住民は、いまだに閉店中の商店やずっと届かないままの宅配に不安な思いを抱えながら、できるだけ自宅から出ずに過ごしており、今回の緩和措置が「措置解禁へのロードマップ」が示されないことで人びとに大きな不安をもたらしていると述べている。