経産省が脱炭素化の制度案を提示
排出量取引と炭素賦課金の組み合わせ
GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で、経産省からカーボンプライシング(CP)の具体的な制度案が示された。
政府が掲げる2050年の「カーボンニュートラル」、2030年の「地球温暖化ガス46%削減」実現のため、炭素に対する賦課金と排出量取引を組み合わせてグリーン経済への移行を加速させようというものだ。
2023年1月から企業の自主参加による排出量取引制度を始めるともに、政府が「GX経済移行債」発行で調達する資金で、企業の脱炭素の研究開発投資などの取り組みを支援、償還財源の安定確保などのためにCO2排出企業から炭素賦課金を取る制度を導入する。
政府は、今後10年間に官民合わせて150兆円以上の脱炭素投資が必要としており、GX移行債発行で政府が20兆円を投資、民間投資の呼び水とする狙いだ。
CPの制度案も「成長志向型」と銘打って、炭素賦課金も軽くするなど、産業界が受け入れやすいような“工夫”がされている。
だがそのことはむしろ「逆の効果」を生む懸念がある。