2022年9月に公開した有料会員向け特集『JR・私鉄「全国376路線」ランキング』(全13回)の#3では、全国の私鉄・公営・第三セクターが運営する全196路線を対象に、ダイヤモンド編集部の独自試算による廃線危険度ランキングを初披露した。本記事では、同ランキングの地域別バージョンを無料公開する。歴史や知名度はあっても、経営は厳しい各地の路線の危機が浮き彫りになった。(ダイヤモンド編集部)
中部26路線の廃線危険度は?
全国各地で住民の生活を支えてきた多くの鉄道会社が、歴史的な転換点に立たされている。
2022年はJR各社(東海を除く)がローカル線の収支を公表したことで、鉄道路線の存廃を巡る議論が活発化した年だった。一部では存続が難しい区間について、廃線やバスへの転換も選択肢にして、地元自治体と協議を始めている。
ただ実のところ、本当に危機的な状況にあるのは、JR以外の路線だ。JRは都会にドル箱路線を持っていることが多く、地方の赤字路線を抱えていても全体で収支のバランスを取ることは可能だ。
一方で、大手私鉄や都市部の地下鉄を除けば、JR以外の鉄道会社の多くはそもそも、もうかる路線を持っていない。高齢化や過疎化を背景に、新型コロナウイルス禍になる前から赤字経営が続いていた会社が多い。
そこでダイヤモンド編集部は、輸送密度や2050年の推定沿線人口など四つの評価軸を駆使して、全国の私鉄・公営・第三セクター全196路線を対象に、廃線の危険度が高い路線ランキングを作成した。
結果は、歴史や知名度のある路線がランキング上位になるなど、各地の鉄道経営の苦境を浮き彫りにするものとなった。
次ページでは、中部地方の26路線のランキングを確認していこう。