JR・私鉄「全国376路線」ランキング#3Photo:Photolibrary

特集『JR・私鉄「全国376路線」ランキング』(全13回)の#3では、全国の私鉄・公営・第三セクターが運営する「全196路線」を対象に、ダイヤモンド編集部の独自試算の廃線危険度ランキングを初公開。首都圏の著名私鉄がワースト10の崖っぷちに追い込まれるなど、各地の危機的状況が浮き彫りになった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

廃線危機の本丸はJR以外
私鉄・公営・三セク路線は要注意

 全国津々浦々で住民の生活を支えてきた多くの鉄道会社が、歴史的な転換点に立たされている――。

 JR東日本やJR西日本など、JR各社がローカル線の収支を公表したことで、鉄道路線の存廃を巡る議論が活発化している。全国のJRが赤字の厳しい区間の廃線を視野に入れ始めているタイミングであり、本特集の#1『JR「廃線危険度」ランキング【全176路線】崖っぷちワースト10にJR東が6路線!』ではJR旅客6社の各路線について、ダイヤモンド編集部が独自に算出した廃線危険度を示し、その存続の可能性を探った。

 ただ実のところ、本当に危機的な状況にあるのは、JR以外の路線だ。JR東海やJR東日本が典型例となるが、JRは都会にドル箱路線を持っていることが多く、地方の赤字路線を抱えていても全体で収支のバランスを取ることができた。

 足元では新型コロナウイルスの感染拡大による需要急減で、この図式が揺らいでいるわけだが、大手私鉄や都市部の地下鉄を除けば、JR以外の鉄道会社の多くは、そもそももうかる路線を持っていない。高齢化や過疎化を背景に、コロナ前から赤字経営が続いていた会社が多いのだ。コロナ禍の脅威はJRの比ではない。

 そこでダイヤモンド編集部は、輸送密度や2050年の推定沿線人口など四つの評価軸を駆使して、危機の本丸である全国の私鉄・公営・第三セクターの「全196路線」を対象に廃線危険度ランキングを作成した。

 結果はワースト10に首都圏の著名な私鉄が入るなど、各地の苦境を浮き彫りにするものとなった。それではランキングを確認していこう。