動画配信大手ネットフリックスのパスワード共有が間もなく終了する予定だ。視聴者にも同社にもこれから難題が待ち構えている。同社はこの瞬間を何年も先延ばしにしてきた。事情をよく知る複数の関係者によると、社内の調査担当者はパスワードの共有が加入者数をむしばむ大問題であると2019年に突き止めていた。だが同社は消費者の離反を招くことなく対処するにはどうすべきかに頭を悩ませた。そこへ新型コロナウイルス感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)が広がり、新規加入者の波が押し寄せたため、パスワード共有に厳しく対応する機運がいったん消えた。加入者数が減少に転じた今年になって、ネットフリックスはようやくこれを広く取り締まる計画に着手。今年初めにロサンゼルス郊外で開かれた社内の会合で、リード・ヘイスティングス共同最高経営責任者(CEO)はコロナ下のブームがパスワード共有問題の深刻さを覆い隠していたとし、本腰を入れるのに時間がかかりすぎたと上級幹部らに語った。会合に出席した複数の人物はこう明かした。