「なぜか逆境に強い人」には理由があった!脳科学から見た5つの思考法「脳内の当たり前」と「現実」とのギャップには、じつはさまざまな可能性、いいかえれば新しい気づきや変化のきっかけが眠っており、チャンスの兆しともなる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「目標があるけど、ついつい“やっぱり無理かも”と逃げてしまう……」「状況の変化にストレスを感じて戸惑ってしまう……」。逆境に立たされた時、ついつい人は揺れ動いてしまうもの。チャレンジするかどうしようか、思い悩んでしまうとき、脳の中では何が起きているのでしょうか。そこで今回は医学博士の川崎康彦さんの著書『ハーバードで学んだ逆境の脳科学』(青春出版社刊)から、脳科学的な観点からみたチャンスに強くなる方法について抜粋し、紹介します。

じつは逆境には、自分が新しくなるチャンスが潜んでいる

 逆境、と聞けば全身が嫌な感覚になる状況を想像する人は多いでしょう。

 でも簡単にいえば、逆境とは「脳内の当たり前」と「現実」とのギャップのこと。ギャップが生じた時、人や状況によって、さまざまな反応が起きます。脳の中で緊急のアラームが鳴り響くかもしれません。

 たとえば動物なら天敵に襲われた状態は逆境と言えるでしょう。脳の指令によって全身が、戦うか・逃げるか(ファイト・オア・フライト)の準備を整えます。

 とはいえ文明社会の中では、あまり有効な反応とは言えません。たとえば仕事上のトラブルを前にして、肩をいからせて全身の筋肉にガチガチに力が入っていたのでは、まずい対処をしてしまいそうです。また、危険だからと一目散に逃げだせばすむような場面も、そうそうあるものではありません。