新築戸建てのイメージ写真はイメージです Photo:PIXTA

蛇の道は蛇、建前だけでは本質は決して分からないのが不動産。そんな業界に首まで漬かった業界人がネット上に集う全国宅地建物取引ツイッタラー協会(全宅ツイ)。暴露ネタ満載の毎年恒例の新春不動産座談会、2日目は実需編をお届けする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

座談会参加者 全宅ツイオールスターズ実需チーム

のらえもん @Tokyo_of_Tokyo

湾岸タワマンアナリスト

なめ茸 @c___i___b

マンデベモデルルーム勤務

つばさ(広告費無い部) @linecross0102

都内不動産売買仲介

「この予算で買える家を練馬と幕張で探す」
ありえない検討する人が出てる

――実需(自分が買って住む)住宅の相場はどうですか?

つばさ:価格、下がる気配はないです。城北エリアではコロナ禍が最盛期のときは5000万~7000万円が売れやすかったんですが、今はその予算だと今まで買えてたお客が希望のエリアで買えなくなりました。特に新築戸建ては材料費高騰で値段が上がっている。

なめ茸(なめ):新築戸建てやばいね。一昔前だと狭小戸建てでも土地は70m2あるのが一般的だったのが、今はオープンハウスとかが55m2とかで駐車場がない3階建て、土地の入り口からすぐ玄関、というのをたくさん建ててますよね。そういう物件を豊島区千川とかで6000万円台とかで出してる。

つばさ:5年前とかは隣の小竹向原でも5500万円でも販売きつかったんですけどね。すごい上がってますね。この先、新築戸建てはまだ上がりそうな感じがあります。

のらえもん(のら):つばささん、城北エリアってコロナ禍の中、値段が相対的にかなり上がったはずなんですが、所得が上がらない中どうやって買わせてるんですか?

つばさ:価格が上がる前は(※1)1馬力で買ってた人が多かったのが、ここに来て2馬力で買う人が爆増してます。じゃないと資金計画が追いつかない。

のら:板橋もともと1馬力の人が多かったですけどね。

つばさ:赤羽の新築戸建ては、コロナ前は5000万~5500万円くらいでしたけど、今7000万~7500万円で、もうすぐ9000万円に届きそうな勢いです。土地15坪とかで。

――超豪邸とかじゃないんですよね。でもそういう条件でも、物件は売れてるんですか? さすがに、給料が上がっていないのに住宅価格だけ上がっていくってムリがある気がするんですけど。

つばさ:(※2)レインズの成約件数は7月から下がり続けてますね。

なめ:お客さまみんな予算は上げても年収変わっておらず、背伸びの限界が来てる感じがします。昔から言われる「総額7000万円の壁」は変わらないです。8000万円台になると途端に普通のサラリーマンは買わなくなるんですよね。

のら:昔なら住みたい街を選んでから「中古の築古か狭いけど新築か」で家を選ぶ、だったんですけど、今は「これしか出せないからこれで買える家を広域で探す」と練馬と幕張を同時検討する、みたいな少し前まではあり得ない検討の仕方をする人が出てきてる。

なめ:宝探しみたいですよね。間違い探しなのかもしれないけど。ここ市場相場と比べて価格がゆがんでる、ここ買いだ!みたいな。

のら:どうしてもみんな出せる範囲が決まってて、それで新築マンションしかないとなると「ここしかない」というのが結構あって。7000万円以内で3LDKを探すにはどこまで電車で都心から離れなきゃならないのか、みたいな感じ。タワマンに至っては8000万円からかな。