インフレに伴う建設資材高が直撃したゼネコン業界は2022年、発注者である不動産デベロッパーに資材高を価格転嫁することができずに泣かされてきた。23年はいよいよ、ゼネコン業界がデベロッパーに反撃の狼煙を上げる。特集『総予測2023』の本稿では、ゼネコン業界がデベロッパーに繰り出す反撃の中身を詳らかにする。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)
デベロッパーに価格転嫁できなかった
ゼネコンが反撃に出る
2023年は、ゼネコンが反撃に打って出る年になるだろう。
東京五輪・パラリンピックや大型再開発などの建設ラッシュが一巡し、ここ数年は厳しい受注競争が繰り広げられたゼネコン業界。ゼネコン大手はライバルに競り勝つために、大型プロジェクトを安値で受注するようになった。
そこへ、新型コロナウイルス感染拡大に端を発した物価上昇が襲った。建設資材高をもろに食らった大林組はじめゼネコン大手は22年3月期、軒並み営業減益に沈んだ。
これに対し、不動産デベロッパーは、三井不動産、三菱地所、住友不動産の財閥系3社が過去最高益を更新するなど絶好調で、明暗がはっきりと分かれた。
ゼネコン業界は、価格転嫁ができないばかりか、発注者である不動産デベロッパーに頭が上がらない「請け負け」構造に陥っていた。
しかし、業績を立て直すべくゼネコンは23年、デベロッパーに反撃するだろう。
では、ゼネコンがデベロッパーに反撃する手段はあるのだろうか。
次ページでは、ゼネコンがデベロッパーへ反撃に打って出る最強の武器を明らかにする。そして、その武器こそが23年のゼネコン業界で、勝ち組と負け組を分ける理由についても解説する。