上も下も金余り、そんな22年は不動産投資家にとってはどんな年だったのか。不動産業界に首まで漬かった業界人がネット上に集う全国宅地建物取引ツイッタラー協会(全宅ツイ)。暴露ネタ満載の毎年恒例の新春不動産座談会、本日は個人投資家・不動産ファンド編をお届けする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)
全宅ツイのグル @emoyino
都心の不動産を中心に扱うブローカー
どエンド君 @mikumo_hk
専業の不動産投資家(大家さん)
かずお君 @kazuo57
日本中の土地を老人ホームにする有活ブローカー
あくのふどうさん @yellowsheep
渋谷の不動産ブローカー
団栗左衛門
ファンド業界の末端にいる資本家と配偶者のしもべ
みっく・まーさー @Mick_Mercer
外資不動産ファンド屋さん。すみふlover
「個人投資家向け物件販売図面に
人民元建ての価格が書いてあるのよく見る」
――22年、個人投資家界隈はどうでしたか?
どエンド君:個人向けの物件も高騰して利回りは下がる一方なんですけど。地銀も信金もまだまだ融資を出してくれるし、融資期間も延ばしてくれるので、なんでも売れていきます。なので個人投資家というより個人投資家向けに収益物件を売ってる会社がどこもえらい景気いいです。
団栗:確かに投資用マンションデべロッパーも鼻息が荒くなっている……。
かずお君:収益不動産売ってる若者たち、うなるほど金持ってる。一棟の(※1)物上げ屋さんと、10億円未満くらいの投資家さんをたくさん抱えてる(※2)三為屋さんとかがめちゃくちゃ金持ってる。
どエンド君:あと円安で中国人買主が元気いっぱい。
あくのふどうさん(あくの):中国人すっごいいますね。
みっく・まーさー(みっく):台湾の富裕層が!みたいなのは最近よく聞きますね。
どエンド君:販売図面にドル建てとか人民元建てで値段書いてるのも見ますね。
団栗左衛門(団栗):台湾の人にとっては資産分散って観点もあるんだろうな。
どエンド君:なんか戦争になりかねないですもんね…。
みっく:レジ(住宅)の(※3)キャップって今どれくらいなんすか?
団栗:エリアによっては賃貸マンション一棟で3.0%前後とか余裕であるんじゃないですかね。
かずお君:結論ありきで仕入れ値が決まってるから、それに合わせた(※4)近隣事例持ってくるだけだもん。
あくの:キャップも近隣事例取るから。
かずお君:建築費がすごい角度で上がっていくから、地上げ早々に諦めてひどいかたちで造っちゃう投資マンションをちらほら見る。洋室2.8畳の1LDKを日本橋で見ました。
あくの:噴くんだけど(笑)。
団栗:どうしても1LDKにしたかったんだね。
どエンド君:1LDKは今30m2なんですよ!
かずお君:1LDKにすると2人入居のニーズ取れるから。今、ワンルームはともかく2人で住めるおうちはめちゃくちゃ需要があるので無理やり1LDKでやるの。この部屋はさすがに2人で住んだら精神崩壊すると思うけど、それでも2人入居のお客さんが内見したいって見に来たけどね。
あくの:でも、若い頃ってそれでもいいよねー。
団栗:よっぽどラブラブカップルじゃないと。そういえばうちの鬼嫁と新婚の頃は極小1DKだったわ。今じゃ(遠い目)……。
――なんか口の中甘酸っぱくなりますねえ。でも、ここまで小さい賃貸物件ばかりできたらその後どうなっちゃうんでしょうか。