宝飾事業大手ナガホリ社長、長堀慶太氏のインタビュー(『「地上げ屋とマルチ商法の投資集団に狙われた」宝飾大手ナガホリ社長が衝撃の内幕を初激白』)で、「マルチ商法の投資集団」と指摘された筆頭株主のリ・ジェネレーション代表、尾端友成氏がダイヤモンド編集部の取材に応じた。リ・ジェネレーションは現在、ナガホリの全取締役解任を求めて臨時株主総会の招集を請求している。尾端氏は、業績低迷や子会社の不正隠蔽(いんぺい)などを理由に長堀社長ら経営陣は「既に限界が来ている」と指摘。自身が取締役に選任された場合、主力銀行であるりそな銀行からの退職者受け入れと巨額無担保融資の関連性などを調査すると明かした。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
22年3月にナガホリ株を大量取得
「ウルフパック」指摘への反論は?
――長堀慶太社長はダイヤモンド編集部のインタビューで、リ・ジェネレーションについて「実態がよく分からない」「ちょっと普通の人たちではない」と発言しています。確かに開示情報は限定的で私もよく分かりません。リ・ジェネレーションとは一体、何者ですか。
基本的には物販事業を行うために私がM&A(買収・合併)した会社です。知人からイノプライズという会社の紹介がありキャラクターグッズや雑貨系などの物販目的で買収しました。
――ではナガホリ株を買った理由は。
私自身、株式売買を日々やっていまして、ナガホリはPBR(株価純資産倍率)が非常に低く割安だったので、何年も前からリストに入れていました。そうした中でナガホリの配当予想が出て、知人の会社から融資も受けられることになった。私もちょうどアサヒ衛陶の役員を退任したタイミングで、ナガホリに事業提案をすればもっと業績を伸ばせると思ったからです。
――それが昨年3月ですね。その時期、リ・ジェネレーション以外に複数の株主がナガホリ株を買い集めています。長堀社長は、協調関係にあることを隠し、一斉に株を買い上げる「ウルフパック(群狼)」戦術だと主張しています。あなたはウルフ(狼)ですか。
「ただ事ではない」。昨年4月、自社の株主名簿を見た長堀社長は、株主の変貌ぶりに驚愕したという。長らく200円前後を推移したナガホリの株価は前月に急騰。複数の株主が一斉にナガホリ株を買い上げ、うち筆頭株主に躍り出たのがリ・ジェネレーションだった。長堀社長はすぐにメインバンクのりそな銀行に相談し、西村あさひ法律事務所、プロキシーアドバイザーのアイ・アールジャパンら防衛チームを結成。買収防衛策を導入し、徹底抗戦の構えを見せている。リ・ジェネレーションは「ウルフ」なのか。そしてその狙いは何か――。尾端氏が初めてメディアの公開インタビューに応じ、口を開いた。