日銀、長期金利上限を据え置き
日本経済の停滞を増幅する
日本銀行は18日の政策決定会合で、2022、24年度の物価見通しを上方修正したものの、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の長期金利変動幅の上限を現行の0・5%に据え置く決定をした。
昨年12月の決定会合では上限を引き上げ、市場での利回りの上昇を容認した。政策変更の理由として、債券市場のゆがみを修整するためだと説明された。
ところが、資金市場での問題はその後も解決されなかった。10年物国債金利が日銀の上限を超える事態が続き、日銀が防戦で国債買い入れを増やすなどむしろ市場の機能不全が悪化する側面もあった。
そこで、日銀が、長期金利の上限を再び引き上げるかどうかに、注目が集まっていた。
こうした状況を考えれば、今回の決定は、いまの債券市場の状況との関係で大きな問題を含む。また金利が抑制されると、円安圧力が強まる。実際、18日には円が一時1ドル131円台半ばに急落した。
金融政策を早く正常化しないと市場の機能低下は続く可能性があり、日本経済全体の足を引っ張りかねない。