中古車が新車より高い「ロレックス化」、価格高止まりの恐れがあるワケ写真はイメージです Photo:PIXTA

国内中古車市場が異常事態です。国内中古車価格は過去最高水準に到達し、一部の車種で中古車価格が新車価格を上回る「逆転現象」が起きているのです。新車の供給不足は約2年後まで続くといわれています。しかし、実は2年たっても中古車相場は高止まりするかもしれません。その理由をお話ししましょう。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

国内中古車価格が高騰
「新車より高い」車まで

 2022年の国内中古車価格が、過去最高となりました。中古車オークション大手のユー・エス・エスが発表する月次データを見ると、国内の成約車両価格は昨年2月に初めて100万円台の大台に乗り、9月には過去最高値の122万円を記録しました。

 過去を振り返ると、2005年度(2006年3月期、以下同じ)が56万円、2010年度が58万円、2015年度が66万円、2019年度が69万円といった具合で、中古車市場では緩やかな価格上昇が続いていました。そこからコロナ禍に入り2020年度が77万円、2021年度が91万円となり2022年4~12月の平均が108万円まで急上昇したのです。

 中古市場で一番人気といわれるトヨタ・ハリアーの場合は中古の取引価格が新車よりも1割も高くなるケースも出てきたそうです。言うまでもないことですが、新車より中古が高くなるというのは経済としては異常な状況です。

 今なぜ、そのような状況が起きているのか? その状況はいつまで続くのか? さらにその先の中古車市場はどのようになるのか? 現状とこれからの展望についてまとめてみたいと思います。