伊藤忠会長が「マネジメントの失敗」と断言!ファミマ等所管の第8カンパニー、機能不全の舞台裏第8カンパニーの立て直しを急ぐ伊藤忠商事。岡藤正広会長が「マネジメントの失敗」と言及するなど機能不全に陥っている Photo:JIJI、Takeshi Shigeishi

伊藤忠商事が、ファミリーマートなどを所管する第8カンパニーの立て直しを急ぐ。岡藤正広会長の肝いり組織でありながらも、「マネジメントの失敗」と会長が自ら言及し、業界の話題を集めた第8カンパニーは、なぜ機能不全に陥ったのか。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

「第8カンパニー、マネジメントの失敗」
新プレジデントに繊維畑のエドウイン小谷社長

「マネジメントの失敗」――。伊藤忠商事の岡藤正広会長CEO(最高経営責任者)は、自身の“肝いり”で設立した第8カンパニーの在り方についてそう自省する。

 伊藤忠がコンビニ大手ファミリーマートなどを所管する第8カンパニーのてこ入れを進めている。4月1日付で岡藤会長の直轄組織として「グループCEOオフィス」を新設し、管下に第8カンパニーを配置する。

 併せて第8カンパニーのトップを4月1日付で交代させ、現エドウイン社長の小谷建夫氏が新たなプレジデントとして就任する。

 新任の小谷氏は1988年入社で、岡藤会長やファミマの細見研介社長と同じ繊維畑の出身である。伊藤忠子会社の婦人服販売レリアンの社長だった2020年には、下請け業者に支払う代金を不当に減額したとして公正取引委員会によって下請法違反を認定されて是正勧告を受け、対応に追われた経験もある。

 一方、現第8カンパニープレジデントの加藤修一執行役員は金融畑出身だ。ファミマ店内のデジタル広告などで一定の成果を残したものの、冒頭の岡藤会長の発言が示すように、第8カンパニーが「機能不全」に陥っている側面があった。繊維畑の小谷氏を新たなプレジデントとして迎え、岡藤会長のにらみを利かせながら第8カンパニーは立て直しを急ぐ。

 一体、第8カンパニーで何が起こっているのか。

 次ページでは、異例の“岡藤発言”を読み解くとともに、伊藤忠関係者への取材によって浮かび上がった第8カンパニー機能不全の舞台裏と今後の行く末を解き明かす。