役職定年の悲哀#7Photo:Taku_S/gettyimages

資源高などを背景に、2022年3月期決算においても最高益の更新が続く大手総合商社。就職人気も断トツで、給料の高さもよく知られるところだが、役職定年制度に関しても、適用後も他の業界のように給料が激減することなく高待遇。ただし、大手3社のシニア向け待遇の制度は三者三様だ。特集『中高年の給料激減!主要企業のデータ初公開!大企業の5割導入 役職定年の悲哀』(全17回)の#7では、あまり外部には出ない商社の知られざる優遇ぶりを紹介しよう。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

過去最高益が続々の総合商社
商社マンの生涯賃金は5億円

 総合商社の勢いが止まらない――。商社の2022年3月期決算は、大手7社全てが従来予想を上回って最高益を更新。ロシアのウクライナ侵攻による損失を一部で計上したものの、資源高などを背景に好業績をたたき出している。

 三菱商事の純利益は前期比でなんと5.4倍の9375億円を稼ぎ出し、2期ぶりに商社トップに返り咲いた。次いで、三井物産は同2.7倍の9147億円となり、商社2社が純利益9000億円を突破。三菱商事に逆転されたとはいえ、前期決算で商社トップとなった伊藤忠商事も、同2.0倍の8202億円となっている。

 生涯賃金5億円――。商社マンの年収たるやすさまじい。一般的なサラリーマンの生涯年収の約2倍近い年収を稼ぎ出すのが、総合商社のエリートサラリーマンだ。直近の有価証券報告書によれば、三菱商事の平均年収は約1559万円、三井物産は約1549万円、伊藤忠商事は1580万円、住友商事は1406万円、丸紅は1469万円と記載されており、その水準の高さには驚くばかりである。

 高給なだけに仮に他の企業と同じような役職定年制度があれば、打撃も大きそうだ。役職定年とは、一定の職位や年齢になると職を解かれ部下なしとなる制度のことで、多くは給料が激減するからだ。

 では、商社の役職定年制度はどうなっているのか。一言で言えば、他の業界の役職定年とまったく異なり高待遇に尽きる。ただし、一部の役職定年制度をなくした商社では、新制度の下、熾烈なポスト争いが生まれている。

 三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅、豊田通商の破格の優遇ぶりを年齢と実額で開陳。新たな出世のメカニズムとともに、次ページ以降で紹介していこう。