総予測2023#32Photo:SOPA Images/gettyimages

三菱商事が2023年3月期決算で1兆円超の純利益予想を見込むなど、絶好調の商社業界。後押しするのは、記録的な円安と資源高だ。しかし、日本銀行のサプライズ政策修正で円安に歯止めがかかった。資源バブルで得た利益の使い道が、23年の企業の命運を分けそうだ。特集『総予測2023』の本稿では、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事の3社長が描く投資先と、23年のドル円相場予測をお届けする。(ダイヤモンド編集部 大矢博之)

「週刊ダイヤモンド」2022年12月24日・31日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

円安と資源高で空前の好景気に沸く商社業界
稼いだ金を投資する「目利き力」が問われる年に

 円安や資源高で苦しむ企業を尻目に、空前の“好景気”に沸いているのが商社業界だ。2023年3月期も過去最高益を記録する企業が続出する見込みで、三菱商事に至っては純利益が1兆円を突破する予想となっている。

 23年は稼いだ金を将来に向けてどこに投資するかが焦点となり、各社の目利き力が問われる1年になりそうだ。

 総合商社の好業績のけん引役はもちろん資源バブルだ。23年3月期上半期の資源ビジネスの実績を見ていくと、三菱商事の金属資源事業の純利益が3215億円、三井物産は2472億円で、全社の純利益の4割以上を占める。

 一方、伊藤忠商事の金属事業の純利益1347億円が全体に占める割合は約28%。「非資源ナンバーワン」を掲げ、2年前には純利益で商社業界の頂点に立った伊藤忠は、資源依存度の低さが業績で競合に大差をつけられた主因となっている。

 ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機やインフレで、資源価格は一時のピークほどではないものの高止まりが続き、当面は三菱商事と三井物産が業績面で優位な戦いを進めそうだ。

 23年3月期の“爆益決算”のゴールが見えてきた今、各社は水面下で来期に向けた投資先の選定作業を急いでいる。次ページでは、3大商社社長に聞いた「23年に注力する分野」と「ドル円相場の見通し」を明かしていこう。