「子どもには、少しでも体によいものを食べさせたい!」ですよね。
でも、ごはんは毎日のこと。なるべくシンプルで簡単に済ませたいものです。
この連載では、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の小児科医でもある伊藤明子先生が、最新の医学データをもとに「子どもが食べるべきもの、避けるべきもの」をご紹介します。
不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験から、本当に子どもの体と脳によい食事がわかります。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。
※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。

【小児科医が教える】子どもの体に「いいヨーグルト」「悪いヨーグルト」とは?Photo: Adobe Stock

いちばんおすすめのヨーグルトは?

 おすすめのヨーグルトはギリシャヨーグルトです。一般的なヨーグルトに比べて、たんぱく質を多く含みます。最近ではスーパーでよく見かけるようになりましたね。

 そして食べてほしい時間帯は。朝は忙しいし、なかなか調理の時間がとれません。時間をかけずに、すぐに食べられる高たんぱくなギリシャヨーグルトは大変役立ちます。朝食にしっかりたんぱく質を摂ることは心身にとても大事1日の生産性を上げ、他者と衝突しにくくなります[*3]。

 また、空腹ホルモン(食欲ホルモン)の分泌も抑えられます。空腹ホルモンとは、空腹を感じたときに分泌される「グレリン」というホルモンで、血液中に分泌されたグレリンが脳を刺激することで「おなかが空いた」と私たちは感じます。朝食にたんぱく質をたっぷり摂っていれば、満腹ホルモン(レプチン)がより分泌されるので[*45]、無駄な間食を減らすことができます。小学生なら110gくらいのギリシャヨーグルトがおすすめです。

乳製品を選ぶときは「脂肪ゼロ」「低脂肪」が合言葉

 乳製品の脂肪は飽和脂肪酸なので、体内で炎症を起こしてしまう、できれば摂りたくない脂(あぶら)です。ですからヨーグルトは脂肪ゼロ、牛乳は低脂肪のタイプがおすすめです。

 体に炎症が生じると、腫れたり痛んだりしますね。これは体を守るための反応です。しかし、自覚症状がないまま体内で「炎症物質」が増えて「炎症反応」が起き、細胞レベルで傷ついていることがあります。これは脳内でも起きているんですよ。

 このほかにも『医師が教える 子どもの食事 50の基本』では、子どもの脳と体に最高の食べ方、最悪の食べ方をわかりやすく紹介しています。

(本原稿は伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事 50の基本』から一部抜粋・編集したものです)

*3 Strang S, et al. Impact of nutrition on social decision making. Proc Natl Acad Sci U S A. 2017 Jun 20; 114(25):6510-6514.