「疲れる前に休む」習慣を
ひとりひとりにその人に合った働き方があります。自分は自分、人は人と考えてください。そして「疲れる前に、休んでもいいんだ」と考えましょう。
適度に休養をとれるように、自分がどの程度の働き方であれば、体力的に無理をすることなく仕事ができるのかを把握しましょう。
先ほどお話ししたように、1日8時間働くと疲れてしまう人もいます。
1日8時間、週5日の勤務では体調を崩しやすいという場合には、できれば勤務時間や勤務日数を調整したいところです。
フレックスタイム制や裁量労働制の会社など、時間にしばられない会社に勤務できればいいのですが、転職するのが難しい場合もあるでしょう。
働く時間を自由に選べない場合は、休暇をとって体調を整えるようにしましょう。
繁忙期などで休みがとりにくいときには、勤務中にしっかり休憩をとり、休日に心身を休めることを心がけてみてください。
体調を二の次にしないで、体力的に余裕の持てる働き方を模索していきましょう。
仕事一色よりもプライベートも大切に
どんなに好きな仕事でも、プライベートも大切です。
仕事で体力を使い果たし、プライベートはただ休んでいるだけという生活では、余裕がなくなっていきます。
そのような状態では、仕事で行きづまったときに気晴らしをする場所、逃げ込む場所がなくなります。
仕事だけに人生を捧げるのではなく、プライベートを楽しむ余裕を持てるような働き方に変えていきましょう。
(本原稿は、本田秀夫著『「しなくていいこと」を決めると、人生が一気にラクになる』より一部抜粋・改変したものです)
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授・同附属病院子どものこころ診療部部長
特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事
精神科医。医学博士。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。東京大学医学部附属病院、国立精神・神経センター武蔵病院を経て、横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。2011年、山梨県立こころの発達総合支援センターの初代所長に就任。2014年、信州大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長。2018年より、同子どものこころの発達医学教室教授。発達障害に関する学術論文多数。英国で発行されている自閉症の学術専門誌『Autism』の編集委員。日本自閉症スペクトラム学会常任理事、日本児童青年精神医学会理事、日本自閉症協会理事。2019年、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)に出演し、話題に。著書に『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』(以上、SBクリエイティブ)、共著に『最新図解 女性の発達障害サポートブック』(ナツメ社)などがある。