――このテロ組織が勢力を増しているという兆候はあったのか。

  西アフリカの他の地域ではテロ組織の活動が活発化していたが、もともと800~900人のメンバーを抱えるこのアルジェリアの組織が特に支持を得始めているということはなかった。

 ちなみに、この天然ガス関連施設は半分がアルジェリア政府関連企業の所有で、セキュリティーを提供していたのは政府である。したがって、アルジェリア政府が、今回のような攻撃の可能性を見通しておらず、十分な手を打っていなかったと言える。

日本企業が無視できないアフリカ市場
今後、巻き込まれないためには?

――今回の事件は日本企業を巻き込み、国民にとってもショックなできごとだったが、アメリカやヨーロッパ企業を標的にした事件はアフリカではよく起きているのか。

 西アフリカ全般まで広げれば、ニジェール・デルタ解放運動(MEND)による石油生産施設への攻撃、外国人関係者の誘拐、インフラ破壊などの事件が起こっており、日本人も巻き込まれたことがあった。

――今回の攻撃では日本人が多数殺害されたが、テロ組織が日本人、あるいはアジア人に対して特別な反感を持っていた可能性はあるか。

 日本人だから攻撃を受けたという証拠はない。ただそこに居合わせただけだ。多国籍企業の一員とみなされたのだ。日本人を狙い撃ちしたのではない。

――アメリカ政府はこの地域への介入を最低限にとどめているが、それについてどう考えるか。

 正しい判断だと見ている。ここで起きているのは、悪質な政府、腐敗、貧困、辺境化といった問題から出てきたテロ活動で、これらはすべて国内問題だ。9.11の時のアルカイダのような国際的な動きへの対処とは、一線を画すべきだ。

――アルジェリア政府は、どのくらい腐敗しているのか。また一般国民は、そうした問題についてどの程度意識しているのか。

 それは専門でないので、詳しくは答えられない。だが、政府と国民とがかなり乖離していることは事実だ。国民がまともな政府を要求するようなレベルになるまで、かなりの時間がかかるだろう。これはアルジェリア、ナイジェリア、マリ、コンゴに共通することだ。