お礼に心を尽くさなければならないのは、もちろん会食にかぎりません。基本的に、頼みごとをしてタダですむということは世の中にはないと思ってください。何かを頼んだ相手が動いてくれたら、たとえそれが叶わなくても、食事を奢ったりシャンパンを贈ったりということを忘れてはならないと思います。
息子さんのことで頼まれごとをしたお母さんからエルメスのスカーフをいただき、それを包みなおして自分がお世話になった方にまわしたこともあります。九州の産物をもらったら、お世話になった北海道の人へ贈る。逆に北から南へとか……。「地球上で感謝の気持ちをまわす」ことだって、SDGsの一環と考えられなくもありません(違うか)。
人に物事を頼むということは、大きな責任を伴うということを忘れないようにしたいものです。
品性が試される時その2
紹介後のモヤモヤに「3回ルール」
もう1つ、ちょっと気になることがあります。紹介して引き合わせたばかりの人たちが私が知らないうちに何回も会って距離を縮めていると、「聞いてない!」と思ってモヤモヤしてしまうのです。
「いろいろと心が狭すぎる」「成熟なんて程遠いじゃん」という声がそろそろ聞こえてくるような気がしますが、「こういうことで腹を立てる人もいるんだから、成熟したいと思う人は気をつけようよ」という話だと思ってください。
先日もこんなことがありました。
Aさんに大金持ちのBさんを紹介しました。ちなみに、Bさんを紹介したその会食は私がご馳走しています。それ以降、AさんはBさんと何回も会ってグイグイ仲よくなっていったのです。しばらくしてAさんが「最近、Bさんと随分親しくしているんだよね」という話をしていたと別の人から聞き、「それって私が紹介したんだけど……」と心がざわつきました。