今、脚光を浴びている「自力整体」人の手を借りずに、「整体施術のプロの技法」を自分におこなえるメソッドだ。痛みや不調を解決するワークを紹介した『すごい自力整体』は、発売わずか大きな反響を呼んでいる。今回、出版を記念して著者の矢上真理恵さんと対談してくださったのは、「自力整体」の生みの親・矢上裕さん。矢上真理恵さんのお父様でもある矢上裕さんは35年前、鍼灸師・整体治療家として治療しながら、効果の高い施術を自分におこなえるように改良し「自力整体」を完成。著書は25冊を超える。今回『すごい自力整体』の監修者として参加。対談の第一話は、「自力整体が愛される理由」。(構成/依田則子、写真/榊智朗、石井真由美)
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家

部屋をうす暗くすると不調も痛みも消えやすい? 整体プロおすすめの夜習慣矢上真理恵(左)、矢上裕(右) 写真/石井真由美

「治せない治療家はリピーターがいて繁盛する」。そこに虚しさを感じて

――矢上真理恵さん初の著書『すごい自力整体』のご出版と3万部突破、おめでとうございます。

矢上裕・矢上真理恵:ありがとうございます。

――「『すごい自力整体』は、痛み、冷え性、生理痛など不調を改善するワークのほかにも、じっくりゆがみを調整する「20分間ショートレッスン」も動画付きで紹介されていて、とても役立ちました。

矢上真理恵(以下「真理恵」):それはよかったです。しっかり全身のゆがみも調整していくので、根本から問題解決できるんです。

――矢上裕先生は「自力整体」の著書を25冊出版されていらっしゃいますが、今回、真理恵さん初の著書を監修され、どのような読者をイメージされましたか?

矢上裕(以下「裕」):そうですね、とくに真理恵と同世代の30代の女性や、もともと自力整体のファン層が40代、50代の女性が多いので、その年代を意識しましたね。

 仕事や家事・育児で体のあちこちに痛みが出たり、オフィスで目を酷使したり、生理痛や更年期の不調などで悩んでおられる女性に役立つ内容になっています。もちろん幅広い年齢層の方や、男性にも役立ちますよ。

――原因不明の不定愁訴に悩まされている方は多いので、ぜひおすすめしたいです。

裕:我々は東洋医学の治療家ですので、東洋医学から見た不定愁訴の解消にも役立ちます。たとえば、病院に行っても答えが出ない、病名が付けられないような不調ってありますよね。そういう不調に対して、我々は答えを提供できます。

――とくに骨盤まわりの調整ワークをおこなうと、なぜか膝や肩の痛みもラクになるので驚きました。

真理恵:骨盤は人体のベースなので、骨盤まわりを中心に調整すると、体全体のゆがみも解消されるんですね。

部屋をうす暗くすると不調も痛みも消えやすい? 整体プロおすすめの夜習慣矢上真理恵(やがみ・まりえ)
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。 写真/榊智朗

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『DVDで覚える自力整体』『DVD3分から始める 症状別 はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。